モンゴル帝国とその後継者

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モンゴルは東西の文化圏を結びつけた人類初の世界帝国だった
  • 小名木善幸さんのゼロから一気にわかる超軍事国家モンゴル帝国
    動画の中に、次のような小名木さんの解説があります。
    西洋史はヒストリー(ヒズストーリー)の系譜。これに対し、チャイナの歴史を扱う東洋史は、天命に従って支配者が変わる易姓革命の物語となっている。両者に根本的な価値観の違いがあるので、西洋史と東洋史を統合することはできない。このため、世界史という学問分野は存在しなかった。戦後日本では暗記物としての世界史が誕生したが、それは哲学を持たないので、学問とは言えない。
    学問としての世界史は無いが、世界史として語るべき帝国が過去に出現している。それがモンゴル帝国で、東西世界を繋ぐ空前の帝国として出現した。これにより、大陸の中の様々な国や宗教、あるいは経済が一つの国の中でつながった。
    小名木さんは、世界を制覇したモンゴル軍の強さの秘密は「分配の法則」にあったこと、それは源氏が用いた分配の法則と似ていること、通行税での税率の統一と紙幣の登場で大いに交易が栄えたこと、石屋のネットワークが拡大して金融為替取引が発生したこと、強勢を誇ったモンゴルもペストで人口が激減し衰退したこと、オスマントルコとのガラス交易で日本の金がトルコに流入し、蓄積され、モンゴル衰退後に通貨として広がったことなどを紹介されている。(金融経済の裏側 小名木善行)
  • モンゴルの後継者は誰か?
    インドのムガール帝国あるいは帝政ロシアであろう。ロシアの領土は、モンゴル帝国の版図と似ているが、世界史に与えるインパクトはそれほどない。しかし、ロシアが大陸内部の通商路・鉄道を握っている事は、軍事的には優位だと思われる。ロシアは自国領土を使って、東西のいずれにも、いつでも自由に進出することができるのだ。
    かつてのソ連が軍事大国となり得たのも、モンゴルの後継者という位置づけで考えれば納得がいく。ソ連、そしてロシアは、軍事的な意味でモンゴルの血を引いているのだ。
    習近平のチャイナも、一帯一路で、モンゴル帝国の後継者の地位を狙っていると言えるが、今のように他国を騙して搾取するだけではモンゴルの後継者にはなれないだろう。
  • かつて大陸の東には、北はロシア、南は渤海・朝鮮湾に至る広大な満洲という国があり、大いに栄えていた。短期間で満州鉄道は総延長1万kmに成長し、広軌道でスピードを誇っていた。この国がシベリア鉄道でヨーロッパとつながっていれば、大陸の様相は今とはずいぶん違ったものになっていただろう。
    とはいえ、女真族は清の滅亡時に富の蓄積を失っているので(略奪者は国民党の蒋介石、中華民国・台湾)、満洲を自力で維持することは難しかっただろう。満洲は、自前の徳(富)を蓄積する時間を十分与えられなかった、不運な国だったとも言える。
  • 陸のモンゴル・その後継者であるロシア・ソ連に対し、海の帝国は英米。
    陸と海の対立の時代には、日本は英米連合と協力関係に立った。日露戦争、第2次大戦後の冷戦がそうである。ロシア・ソ連がモンゴル後継国家だとすると、モンゴルと日本の因縁は深い。元寇と日露戦争、そしてソ連との戦いの3回、日本はモンゴル・モンゴル継承帝国と戦ったことになる。
  • シルクロードで行われた交易とは、元とヨーロッパの間ではなく、オスマントルコのガラスなどと日本の金との交易だった。日本のゴールドはシルクロードを経由してオスマントルコに多量に蓄積され、オスマントルコ大帝国が地中海覇権を握る原動力となった。
    また、江戸末期の日米不平等条約(日米修好通商条約)が原因で米国に流出した多量のゴールドは、南北戦争での北軍の莫大な戦費を全て賄っただけでなく、ロシアからアラスカを購入する資金となるなど、巨額なものであった。
    驚くべき事に、この時日本から流出したゴールドの量は、当時の世界のゴールド全保有量に匹敵するものだったので、国際金融資本家を危うく没落させるほどの量だったのである。これらの事態は、日本の無知の為せる業であった。(金融経済の裏側 小名木善行)

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